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スポーツマウスガードの奨め

皆さんは、日ごろどんなスポーツを楽しんでいるだろうか。スポーツ中に歯・口腔・顎関節などの外傷事故にあった経験はないだろうか。外傷によって顎顔面や口腔に後遺症をもたらすと、肉体的・精神的にもダメージを受け、社会生活にも支障を来すことになる。
特に頭頸部への衝撃で起こる脳震とうは、選手生命に影響を与えることにもなりかねない。学校歯科保健では、低年齢層での顎顔面や口腔への外傷が大きな問題となっている。
スポーツ外傷をいかに防ぐかが重要で、どんなスポーツも安全でこそ健康なスポーツといえる。そこでスポーツ歯科医学の立場から、顎顔面口腔の領域をスポーツ外傷から保護するために「マウスガード=口腔内保護装置」の着用を推奨している。
スポーツと歯科の関係は19世紀初頭のイギリス、ボクシング選手のマウスピース装着から始まった。その当時の選手はマウスピースを装着せずに競技を行っていたが、口腔外傷、脳・頸椎への障害などで、最悪の場合は死亡することもあった。そこで選手らは歯科医師にゴム製の口腔内装置を作製してもらうことにした。その後、アメリカを中心にマウスガードとしてボクシング以外のコンタクト
スポーツにも応用されるようになった。
マウスガードはマウスピース、マウスプロテクターとも呼ばれ、顎口腔外傷の予防・軽減を目的に、競技スポーツ時などに使用するものだ。上顎歯列を覆う形が一般的だが、場合によっては下顎だけ、上下顎に装着する物もある。
マウスガードの使用効果としては、①外傷や脳震とうの予防と軽減②運動能力の向上―に大きく分けられる。マウスガードを装着することで、外傷の発生頻度や重症度が低下することが多く報告されている。
外国では、マウスガードを装着していないと、装着しているときの1.6から1.9倍の確立で外傷を受ける可能性が高くなるとした報告もある。完全に歯が脱臼※1するような場合でも、装着することによって亜脱臼※2にとどめることも可能となる。
ただボクシングのような対戦相手の顔面を直接殴打するような格闘技にはマウスガードの装着が義
務付けられているが、装着により直接打撃に対し▽脳震とうを防ぐ▽脳震とうを起こしても重症化にならない―については、科学的根拠が明確にされていない。また装着によって運動能力が向上されることについても、同様に確立されてはいない。しかしコンタクトスポーツでは、マウスガードを装着することで安心してプレーができるようになり、本来持つ力が発揮できるようになると認識し、試合だけではなく練習中から装着することをお薦めしたい。
▽広報注※1=外力によって、歯を骨(歯槽骨)に固定している組織(歯根膜)が断裂すること。
▽広報注※2=一部歯根膜の付着が残存している状態のこと