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岐阜県民の歯・口腔の健康づくり条例の改正案が議決

岐阜県民の歯・口腔の健康づくり条例の改正案が議決

 全国的にも初の「歯科衛生士の確保・養成及び資質の向上」などの文言が入った同条例の改正案が、6月27日(木)に開催された阜県議会定例会(令和元第3回)で可決されました。

 

 平成22年4月に同条例が初めて制定され、2年連続で骨太の方針に歯科の重要性が明記される中、国の動きに対応すべく改正がなされました

 

△岐阜県民の歯・口腔の健康づくり条例の一部を改正する条例案

  ※岐阜県議会のホームページ

https://www.pref.gifu.lg.jp/gikai/teireikai/heisei31/dai3/giinhatsuan01-3/kengi11.html

噛み癖ありますか?

 皆さんの利き手は右・左どちらでしょうか?利き足(軸足かもしれませんが)は?靴を履く時、風呂に入る時など、決まった足から入りませんか?それはあって当然ですが、食事の時はどうでしょうか?右側・左側のどちらかが噛みやすい、噛みにくいのであれば、それはちょっと要注意です。

 本来、肉食動物はどの方向からでも獲物を捕らえなければいけません。片側からしか捕れないようでは獲物を得る確率が半分になってしまいます。草食動物も片噛みをしていては片側の歯ばかりすり減ってしまい、噛めなくなってしまいます。なのでどちらの動物も両側を均等に使っています。

 しかし、人間という動物はどうもそうではないようです。患者さんに聞くと、多くの人が噛み癖を持っています。噛み癖が原因でトラブルになっている人もいるかもしれません。

 噛み癖があると、得意な側の歯に過度な負担がかかるという大きな問題があります。2人で持つ荷物を1人で持ち続けるには限界があります。いずれ持てなくなってしまいます。歯も同じです。得意な側で噛めなくなった時、反対側で噛もうとしても、もともと不得意になった原因があるわけなので、なかなかうまく噛めません。そうならないためにも、早めに噛みにくい側をつくらないように処置をすることが大切です。

 特に、学童期の子どもは乳歯の生え変わりの時期にぐらぐらの歯を使わずにいて、そのまま片噛みの癖がついてしまったり、食事の時に横を向いてテレビを見る事により、自然に片噛みになってしまいます。

 子どものうちから片側ばかりで噛んでいると、顔の形が左右非対称に発達してしまいます。左右対称の方が人に与える印象が良いそうです。それを放置すると、体までゆがんでいくという説もあります。四十肩、五十肩は片噛みによる体のゆがみが原因と言う整体の先生もいます。

 人間の体は完全に左右対称とは言えませんが、片側に負担をかけすぎることは体にとって良いことではありません。「予防に勝る治療はなし!」左右均等に使えるように気をつけてください。


歯とジュースの関係

 近年、スマートフォンの普及により、インターネットのニュースを見る機会が増えています。歯に関連する記事も目にすることがあります。その中に甘い炭酸ジュースが歯を溶すというものがありました。
 歯は口の中のpHの変化によって成り立っていると言っても過言ではありません。pH5.5が境界で、それよりも低くなる(酸性になる)と歯のカルシウムなどが溶け出す「脱灰」が始まり、高くなる(アルカリ性になる)と唾液中に含まれるカルシウムなどを歯に取り込む「再石灰化」が進んでいきます。む歯菌は自分のエネルギーを得るために砂糖を分解しますが、そのときに酸を作ってしまいます。それに加えてプラークという白い膜のようなものも作ってしまうため、その中のpHが下がり、歯が溶かされるといった状態になっていきます。歯磨きはそのプラークを除去するという目的で大切になります。
 甘い炭酸ジュースはそれ自体が酸性です。そのため、飲んだ時に一時的にpHが下がって脱灰が始まり、その後、唾液により徐々にpHが戻り、5.5を超えると再石灰化が始まります。このように脱灰と再石灰化が繰り返されることで歯は維持されていきますが、このpH5.5を超える前、または超えて間もないうちに再びジュースを飲んだ場合、十分な再石灰化が始まる前にpHが下がり、脱灰ばかりになってしまいます。それがいわゆる「歯を溶かす」状態です。そうならないためには、飲んだ後は水やお茶で洗い流す、キシ リトールガムをかむなどして唾液がたくさん出るようにするといった対処、そして第一にジュースのだらだら飲みをしないことが大切になります。
 徐々に寒くなり、夏のように飲み物を多く口にする時期ではないですが、暖房器具などによる隠れ脱水もあり、保水のためにスポーツドリンクを飲むこともあると思います。しかし、市販のスポーツドリンクも砂糖が含まれるpHの低い飲み物です。歯を大切にするためにだらだら飲みをせず、飲んだら水で洗口をしたり、お茶で洗い流したりすることをおすすめします。

あなたの歯磨き方法正しいですか?

 先日、患者さんに「先生、毎日3回歯磨きしているのに、どうして歯周病になるのでしょうかねぇ?」と言われ、少々厳しい言い方ですが、「磨いているのと、磨けているのは違いますよ。正しい歯磨きの方法を習って帰ってくださいね」と答えました。
 歯科疾患実態調査によると、95%以上の人が毎日歯を磨く習慣があると答えています。一方で、40歳以上の80% 以上の人が歯周病にかかっているという結果もあります。つまり、歯磨きはしていても磨けていない患者さんがたくさんいることになります(歯周病の程度も人によって違うので、まったく磨けていないわけではないですが)。 「では、歯磨きではなく、他の方法(例えば、うがい薬や歯磨き粉など)で歯周病が治らないですか?」と聞かれることもあります。残念ながら、歯に付着する汚れ(歯垢、プラーク)はバイオフィルムと呼ばれ、細菌が何層にも重なってできているため、薬剤の効果はほとんど期待できません。歯科医師としても、何か画期的な薬やもっと簡便な方法があれば、介護の必要な方などは非常に助かるのに-と思うのですが、ブラシで物理的にバイオフィルムを壊すこと以上に良い方法がないのが現状です。
 治療室で歯科衛生士が歯磨き指導をしていると、「この年になって歯磨きを習うなんて恥ずかしいわ」、「この間も習ったのに磨けていないなんて情けない」という患者さんの声を聞くこともあります。ですが、人によって口の中の状況は歯並びも、歯周病の程度も違うので、その人に応じた歯磨き方法を習う機会はなかなかありませんし、すべての歯をしっかり磨くことは大変難しいことなのです。
 歯周病の治療の大前提に原因除去療法という考え方があります。簡単に言えば「病気の原因を取り除くことで歯周病を治す」という考え方です。歯周病は歯の表面についた汚れ(歯垢)が、歯茎に腫れ(炎症)を起こすことで始まります。したがって、歯磨きによって汚れを落とすことは、歯茎の炎症を抑える治療そのものとも言えるのです。
 歯周病は生活習慣病の一つとされています。自分自身に必要な歯磨きの方法をチェックし
て、それを継続することで口の健康だけでなく、全身の健康にもつながります。歯磨きをしているのに血が出たり、歯茎が腫れたりすると感じている方は、一度歯科を受診し、正しい歯磨きの方法を習うといいかもしれません。実際に「歯磨き方法を変えるだけで歯周病が改善した」と実感する患者さんも大勢います。

くすりと歯科治療

 歯科医院で服用中の薬について尋ねられる事があると思います。今回は服用中の薬と歯科治療の関連の中でも特に歯科治療と関連の深い薬のひとつである「抗血小板剤」、いわゆる血液をサラサラにする薬についてお話しします。
 なぜ、歯科治療と「抗血小板剤」は密接な関係があるのでしょうか?それは歯科治療において、量に違いはありますが、出血を伴う処置が多くみられるからです。例を挙げると、抜歯、口腔内の外科手術などがあります。
 そもそも「抗血小板剤」の役目とは何でしょうか?「抗血小板剤」は血小板の働きを抑える薬です。血小板とは、出血時に傷口に集まって塊(血餅)をつくり、血を止める働きをする成分です。ところが、傷口ではなく血液中で塊(血栓)がつくられると、脳や心臓の血そく管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因となります。
 「抗血小板剤」を服用すると、血栓の発生を防ぐことができます。しかし同時に、出血時の血栓による止血も抑えられ、血が止まりにくくなってしまうのです。
 むし歯や歯根の治療、歯石取りのような一般的な歯科治療においては、多少の出血があってもほとんど問題にはなりません。では、抜歯のような出血を伴う外科処置では、薬を中止したほうがよいのでしょうか?
 いいえ、そうではありません。薬を中止すると、血管が詰まりやすくなり、全身状態を危険にさらす度合が高くなります。従って、現在は休薬をせずに処置を行う場合が多くなっています。もちろんその際は、止血処置を十分に行う必要があります。日本循環器学会の抗凝固・抗血小板療法ガイドラインにおいても、「抜歯時には抗血栓薬の継続が望ましい」と明記されています。
 「抗血小板剤」の種類、投与期間、全身状態などを考慮したうえで、処方医師と歯科医師が連携して判断するため、患者様の自己判断での休薬は避けてください。
 今回は「抗血小板剤」についてお話ししましたが、歯科治療に影響を及ぼす薬は他にもたくさんあります。また、患者様の全身状態も歯科治療に大きく影響します。歯科医院を受診されるときには、かかっている病気と服用中の薬を必ず伝えてください。そして、処方医の指示の下で治療を受けるようにしましょう。そして何より、歯を削ったり、抜いたりすることがないように、毎日のブラッシングと定期的な健診を受けることを心掛けましょう。