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2011年10月の記事一覧

やっぱり歯ブラシは大切!

やっぱり歯ブラシは大切!

日進月歩という言葉があります。日に日に進化する技術のことで、歯科治療分野でも例外ではありません。
う窩(むし歯の穴)に詰める材料も、口腔内の過酷な環境に長く耐え得るものに進化しています。かぶせ物はより天然色に近く耐摩耗性の優れたものに変化しています。不幸にして歯を失った場合に入れる義歯でも、一般的な樹脂製の物から、装着感を和らげる薄い金属のプレート状の物に変化しています。また磁石を利用し、しっかり顎に固定される物や、特殊な軟性樹脂で金属のバネが見えない物などがあります。取り外しの義歯が嫌な人には人工歯根を歯茎に植え込むインプラント治療などもあります。今後も治療のバリエーションや、その材質などの進化が見られることでしょう。こうなると、むし歯や歯周病で歯が悪くなっても安心だと思うかもしれませんが、これらの治療は全て修復であり、元に戻る再生治癒ではありません。
歯の再石灰化という言葉を聞いたことがあるでしょうか。肉眼でははっきり分からない程度の初期むし歯では再生が起こります。残念ながら、大きく開いたむし歯では再石灰化は起こりません。やはり自分の天然の歯に勝るものはないでしょう。また歯周病もごく初期であればほぼ元どおりの状態まで回復します。しかしかなり歯肉が下がってしまった重度の歯周炎では、歯と歯の間に隙間のない元
の状態に戻すのはかなり困難といえます。
そこでやはり大切なのは歯みがきです。むし歯や歯周病にならないためだけではなく、むし歯治療後の歯に維持や歯周病をさらに悪化させないためにも大事です。
むし歯や歯周病の原因はご存知のようにむし歯菌と歯周病菌です。これら病原細菌はほとんどの人の口の中に存在します。しかしむし歯の多い人と少ない人、歯周病の重度の人とそうでない人がいます。その理由の一つに病原細菌の数が挙げられます。ある種の歯周病菌は4~6時間ごとに繁殖することが知られ、食べ物カスを栄養源として多量に繁殖し、むし歯や歯周病を発症させるのです。プラーク(歯垢)はみがき残した食べカスではなく、増殖した病原菌の塊だとイメージしてください。完全に除去することは困難ですが、この病原菌の数を少ない状態に保つことはできます。そのための最も有効な方法が歯みがきです。むし歯や歯周病でお困りの人や予防を望んでいる人は、歯みがきをエチケット的な考え方から病原細菌を取り除くために、自身でできる最も重要な治療の一つと考
えてはどうでしょう。歯みがきに対する考え方も変わるのではないでしょうか。また歯間ブラシなどの補助器具や洗口液の併用で、自分に合った効率的な方法を、かかりつけ歯科医に相談して確認してください。