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2012年12月の記事一覧

メタボリックシンドロームと歯周病

 メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト周りが男性は85センチ以上、女性は90センチ以上で、高脂血症、高血圧、糖尿病のどれか2つ以上があてはまることだ。高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満の4つがそろうと生活習慣病で死亡する確率が健康な人に比べて35倍も高まり死の四重奏といわれている。さらに歯周病を加え5つになると生活習慣病で死亡する確率がますます高まり死の五重奏といわれている。
 もし残念なことにメタボリックシンドロームになってしまった場合はどうするべきか。まず、生活習慣の改善指導を受け、食事療法や運動療法により改善をする。しかしそれでも改善が認められないときは、薬物治療を導入することになる。
 食事療法で大切になる「かむ」ことは、歯周病と深く関わってきます。しっかりかんで食べることで次の効果がある。
①早食いを防止し満腹感が得られやすくなるため、食べすぎ、どか食いを防止する。
②よくかむことで、視床下部からホルモン(神経ヒスタミン)が分泌され食欲が抑制できる。
③よくかむことで、交感神経が刺激され代謝が活発になり、消費カロリーが増加する。
④ゆっくりよく味わうことになり、うす味、少量でも充分な満足感が得られる。
 しっかりかんで食べることが肥満の解消・予防になる。歯周病をコントロールし、よくかむことでメタボリックシンドロームが予防できる。バランスのよい食事をしっかりかんで肥満予防。メタボリックシンドロームの予防には、歯の健康を保ち、いつまでも自分の歯でかめるようにすることが重要だ。
 歯周病を予防するにはどうしたらよいだろうか。まず第1にタバコを吸う人は禁煙・節煙をすることだ。統計によるとヘビースモーカーの人は、吸わない人の5.88倍も歯周病にかかりやすい。ぜひ、禁煙に取り組んでみよう。第2に毎日の確実で規則正しいブラッシング(歯磨き)が必要だ。「確実で」ということが重要なので、ただ磨いているのではなく、磨けていることを意識してみよう。また、歯を磨くだけでなく、歯茎のマッサージも忘れないようにしてほしい。第3に定期健診を受けること。歯医者が好きな人は少ないだろう。しかし、これも基本になる大切なことで、自分ではとれない歯石とりなどのために定期的に健診を受けてほしい。第4に健康な食生活。生活のリズムを考慮した食生活となるよう、主食、主菜、副菜のそろった食事をとり、さらに歯ごたえのある食べ物をよくかんで食べると歯周病予防につながるだろう。
 健康は歯から口から笑顔から。