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2013年3月の記事一覧

よく噛みよく育つ

 
 最近、うまくかめない子どもが増えているといわれているが、その原因の一端はあごが弱いことにある。このあごを育てるのが「かむ」という動作。消化を助けるばかりか、あごの筋肉の発育を促し、強いあごを作る。きれいなかみ合わせに影響を与えることは、いうまでもない。
 そこで提唱されているのが「固いものをかもう」「いり豆や骨のある魚を食べよう」である。確かに固いものを食べることは大切なことであるが、その大前提としてむし歯がないことが基本となってくる。右側にむし歯があれば、おのずと左側でしかかまない。それでは、歯の健全な発育に影響を及ぼしかねないからである。もちろん、きれいなかみ合わせも重要なこと。いくら固い物を食べても、かみ合わせが悪ければ、歯の負担は大きくなる。だからこそ、かみ合わせとむし歯は早期の治療が肝要なのである。
 人間の歯の中で最もむし歯になる確率が高い歯をご存じだろうか。それは、第一大臼歯、別名で6歳臼歯とも呼ばれるように、小学校1年生くらいに最初に生えてくる永久歯でる。第一大臼歯の咀嚼力は全体の約6割、上下左右一対の4本の歯が食べ物をかみ砕き、一生の中でも一番大切な役割を果たすといわれている。
 この第一大臼歯は、乳歯の奥歯が並ぶ一番後に、半年から一年かけてゆっくり生えてくるのだが、大臼歯が生える前に、乳歯がむし歯になって抜いてしまうと、必然的に大臼歯の生える場所もずれてしまい、かみ合わせも悪くなる。ずれたかみ合わせをそのまま放置しておくと、他の歯への負担や発声、発音にまで影響を与えてしまうので、乳歯の時代からむし歯には気をつけたいものである。
 では、むし歯が感染により起きるということをご存じだろうか。子どものむし歯の原因となるのは「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌である。この乳歯の天敵を運んでくるのが子どもの食事の世話をする人々、つまりお母さんやお父さん、おばあちゃん、おじいちゃんたちである。というのも生まれたての赤ちゃんにはこの細菌は存在しない。ミュータンス菌を保持する大人の唾液を介して感染してしまうのだ。むし歯感染の割合を育児のミュータンス菌保有率から見ると、多い人は低い人に比べて5倍におよぶ。その反対にミュータンス菌に感染している育児者の口腔内を清潔にすることで子どもに感染する割合を2割にまで抑えることができる。
 だからこそ、育児者も子どもも日頃からむし歯予防に心がけるようにしよう。