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2013年5月の記事一覧

乳歯と永久歯

 よく「うちの子ども、下の前歯(切歯)の永久歯が、乳歯の内側から生えてきました。どうしたらよいですか」と電話を受ける。下の前歯は一番最初に永久歯に生え変わることが多く、乳歯が抜ける前に内側から永久歯が生えてくることもある。そのため歯が二重に生えてきたことに心配される親御さんは多いが、よくあることなので下の前歯については永久歯が乳歯の少し内側から生えてきても問題はない。なぜなら永久歯が出てくる段階で、乳歯の根が小さくなり、歯がグラグラしてくるようならそのままにしていても、自然と乳歯が抜け、永久歯は舌によって外側に押しだされるからである。ただし、ずいぶん永久歯が生えてきているのに乳歯がグラグラしてこない、乳歯がグラグラで食事が食べづらい、かむと痛いときなどは早めに抜いたほうがよいのでかかりつけ歯科医に相談してほしい。
 また、二重に生えてきた歯を見て「矯正しないといけませんか?」ともよく質問される。歯は生えてきたままの位置にとどまったままではなく、他の歯や、舌や頬や唇の力によって動かされる。そのため矯正が必要かどうかは全部の歯が生えそろう小学校高学年か中学生ぐらいにならないと判断できないことが多い。矯正は大人になってからも治療することはできるが、歯周病が進行している場合は治療できない。また、子どものころに治療したほうが大人になってから治療するよりも短期間で治療できることが多い。それでも一般的には2年から3年の期間をかけて矯正装置をつけ、装置が外れてからも「保定」という後戻りを防止する装置を同期間つけることになる。子どもの矯正を考える場合は、前もってかかりつけ歯科医や矯正専門医にいつごろから治療すると適切か相談するとよいだろう。
 また、切歯が左右2本ずつ(中切歯と側切歯)が生えてきた後に、いわゆる六歳臼歯(第一大臼歯)が一番奥の乳歯のさらに奥から生えてくることが多い。六歳臼歯は乳歯の生えていないところから、歯肉が盛り上がり、やがて突き破って生えてくる。そのため一過性の痛みが出たり、盛り上がった歯肉をかんでしまい痛い思いをすることがある。その後、同じように第二大臼歯、第三大臼歯(親知らず)が生え、当然同じことが起こる。どちらも、しばらく我慢すれば自然と痛みはなくなるが、痛みが強いときや心配な時は、かかりつけ歯科医に診てもらうとよいだろう。