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2015年1月の記事一覧

正しい口腔ケアを行っていますか?

 近年、歯周病が早産や低体重児出産に関わっていることが報告され、その後、心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎などの全身疾患にも関係していることがわかってきている。さらに咀嚼機能と認知症との関連性、手術前後の口腔ケアによる術後合併症の関連性など、口腔環境が全身の健康と密接に関連していることも明らかになってきた。また「健康日本21」において「歯周病は口の中のデンタルプラーク(歯垢)が最も大きな原因で発症するため、歯科を受診することや正しい歯みがきを続けることで予防できる生活習慣病としての性格を有している」記載されている。そのため、歯と口腔のケアは、むし歯や歯周病予防のためだけでなく、全身の健康を守るためにとても大切である。
 現在、口腔ケアは、歯や口腔粘膜など口腔内の汚れを取り除く器質的口腔ケア(歯みがきや専門的な歯面清掃など)と口腔機能(咀嚼や発音など)の維持・回復を目的とした機能的口腔ケアから成り立つと認識されている。また、口腔ケアは自分自身で行うセルフケアと歯科医師および歯科衛生士によるプロフェッショナルケアに大別される。
 自分自身で行えることとして(セルフケア)毎日の歯みがきはもちろん、栄養のバランスのとれた食事をとり、よくかみ、口腔をより動かすことで口腔機能を良好に保つことがあげられ、プロフェッショナルケアとしては、患者さんにあった口腔清掃のアドバイスや専門的な歯面清掃、口腔機能の回復などがあげられる。
 したがって、口腔ケアはセルフケアとプロフェッショナルケアの両面から行う必要がある。個人個人の口の中にあった、さらには全身の健康状態に対応した正しい口腔ケアをプロフェッショナルケアから学び、規則正しい生活習慣を実践することにより、歯や口腔の健康ひいては全身の健康に結びつけてみてはどうだろう。「からだの健康は歯と歯ぐきから」である。