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2016年6月の記事一覧

第15回警察歯科医会全国大会



  標記大会を本県歯主管にて、9月3日(土)に開催いたします。当日の参加者向けのエ
 クスカーション・宿泊は下記のリンク先をご覧ください。
  ※ページ右上のおすすめリンクのバナーからもご覧いただけます。 

  ・第15回警察歯科医会全国大会 エクスカーション・宿泊のご案内.pdf
  ・【申込書】.pdf

歯の変色(原因と禁忌症)

  歯を白くしたいと思っている方は、変色原因により現在の医療技術で対応できる場合がある。その希望に応えるには、原因を探り出すことが重要である。また行ってはいけない場合もあることを知ってもらいたい。

原因①外因性着色
 オーラルケアの上手、下手あるいは歯牙のこうごう形態や歯面の状態、歯並びや咬合の不正などにより歯石に付着したステインは歯を汚らしく見せ判別も容易である。また喫煙、赤ワイン、コーヒー、紅茶、ウーロン茶などの反復摂取は着色を悪化させる原因で、着色程度はしこうこれらの嗜好品の種類と摂取した期間や頻度により大きく異なる。これらの外因性着色を除去するだけなら「PMTC」で十分対応できるが「ホワイトニング」あるいは「ホワイトニングとPMTCの併用」で一層効果的に処理できる。

原因②内因性着色
 歯冠のエナメル質や象牙質の構造自体に着色が染み込んだようなもので、疾病や外傷あるいは薬剤の副作用を原因とするが変色に至る影響を受けた時期から二つのタイプに分けられる。
a.歯の萌出以前に影響を受けた場合は、ほぼ歯列全体に変色がみられることが特徴である。日本で多くみられるテトラサイクリン系抗生物質を原因とする変色で、母親が妊娠後半期にテトラサイクリン※㋐を服用した場合や小児期に服用した場合に現れ、変色が重篤な場合には「ホワイトニング」だけでは色調を改善することは困難である。
b.歯の萌出後に影響を受けた場合は、歯列全体ではなく一歯だけに限定されることを特徴とする。特に歯科材料も変色の原因となり、アマルガム※㋑に代表される金属修復物の成分が溶出して歯質に浸入すれば着色原因となる。さらに、根の治療や打撲による神経の退行性変化も原因の一つである。
※㋐テトラサイクリンの生産は1965~1970年をピークとするため、その時期に胎児や小児だった年代層に偏在することが特徴。※㋑金属イオンに対する処置としてホワイトニングは無効と判定されている。

原因③高齢化
 病的現象ではなく加齢により徐々に歯の色調が濃くなる自然現象で、象牙質が歯髄方向に肥厚するなどの要因により、高齢化とともに黄ばみが目立つようになる。

原因④DNA由来の黄ばみ
 ここでは病的因子の作用による変色を指しているわけではなく、親子で肌の色や髪の色が似てしまうように遺伝子情報による黄ばみの強い歯を対象とする。以前はナチュラルと認識され問題視されることはなかった変色。

原因⑤審美指向
 「自分の体のパーツを視覚的に整えよう」というきわめて現代的な思考は一つの原因にまとめられる。
 以上のことからホワイトニングはあらゆる症例に対応できるほど万能ではなく、さまざまな制約があるために判断が重要である。そのため変色の原因を利用する。効果が得られない場合や生体に危害をおよぼす可能性がある場合を禁忌症と判定する。

禁忌症具体例
①妊娠や授乳中の女性
 ホワイトニングは緊急を有する治療ではないため、精神的、肉体的に不安定なこの時期を避け安心して治療を受けられるまで待った方がよい。
②無カタラーゼ症※㋒
 薬剤が有害物質として体内に残留するので治療不可。
※㋒オキシドールを傷口に塗布して白い泡がでない場合無カタラーゼ症の疑いが濃厚である。
③エナメル質形成不全症、象牙質不全症
 深部まで薬剤が浸透しやすいため、ホワイトニング剤の強い刺激により歯髄(神経)がダメージを受ける可能性大。仮に障害を起こさずに白さが得られたとしても歯冠形態が不完全なためホワイトニングだけで審美性を完全に回復させるのは困難。