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2016年9月の記事一覧

歯根破折の予防

 歯根破折とは、歯の上の部分ではなく、歯茎の中の根が割れたり、ヒビが入る状態のことです。歯根破折を起こすと①歯茎が腫れるうみ②根の先にできた膿の袋から出てきた膿が歯茎に穴を開けてニキビのような出口を作る場か合がある③差し歯が何度も取れる④噛んだ時に痛みが出る⑤根の治療をしても、症状が改善しないことがある⑥割れていても症状がでないこともあります。
 8020財団の永久歯の抜歯原因調査報告によると歯根破折は歯周病、う蝕に次いで抜歯原因の第3位となり、40代以降は歯周病とともに歯根破折による抜歯が増える傾向にあります。う蝕、歯周病の分野において質の高いメンテナンスをしていると、う蝕、歯周病による抜歯が減少し、歯根破折による抜歯が圧倒的に多くなります。定期的にメンテナンスをしている場合は、歯根破折に注意が必要です。

△歯根破折の原因
①歯根破折した歯は、ほとんどが歯の神経を取る治療がされた場合です。歯の上の部分に大きく穴を開けて治療をするために、歯の強度が弱くなります。また、歯の神経は栄養を送る管のため神経を取ると枯れ木のようになり歯質がもろくなって、割れやすくなります。②ブリッジの土台や部分義歯の支えになっている場合、噛み合わせの力が集中して歯根が耐え切れずに割れてしまうことがあります。③歯ぎしりや噛みしめのクセは、歯に非常に大きな負担をかけ、その力が原因で歯根破折を起こすこともあります。④硬い物を好んで食べることも歯根破折の原因となります。

△歯根破折の予防
①神経を取ると割れやすくなるため、むし歯を作らないようにすることが大切。②歯ぎしりにはマウスピースを歯に装着することが有効です。③歯根破折は初期の段階であれば、抜歯とならないケースもあるため、早期発見できるように定期健診が重要です。④よく噛むことは、身体や脳にとって良いことですが、硬い物を噛むことが歯根破折を引き起こすこともあり「よく噛んで食べること」と「硬い物を積極的に食べること」とを混同しないようにしましょう。