2017年8月の記事一覧
学校でCOと言われて安心していませんか?
新年度が始まり、学校で歯・口の健康診断(健診)が行われる時期です。そろそろ健診結果のお知らせを学校からもらってくるころでしょうか?そのお知らせの中で「むし歯になりそうな歯(CO)があります」にチェックが入っていませんでしたか?
1.CO(シー・オー)とは
COとは削って治療する必要はないですが、このまま放置すると進行する可能性が高いむし歯の状態で要観察歯のことをいいます。しかし、保護者の皆さんは治療する必要がないイコール歯科医院に行かなくて良いと考えて安心してしまいがちで、これが大きな問題だと思います。
学校での健診はあくまでもスクリーニングで確定診断ではありません。そして、COでは進行を防ぐために歯の清掃や甘いものを制限するといった食生活の改善や生活リズムの改善をする必要があり、フッ化物利用などを行うべきであり、そういった元で注意深く観察していかなくてはならないのです。
2.COの下に隠れたむし歯の進行
本当にCO程度のむし歯なのかどうかはやはり歯科医院を受診し、レントゲンなどの特殊器具を使い確定診断してもらう必要があります。毎年の健診でCOと言われ続け安心していたら突然痛みが出現して来院される子どもさんがときどきいます。診療室で診察してみると一見したところではむし歯による穴があいてないように見えてもレントゲンを撮ると中で大きくなっていました。学校健診でCO以外のチェックが全くないのでそれまで何年も歯科医院を受診していなかったことにより見過ごされてしまったと思われます。また、見たところ全くむし歯がないと思ってもレントゲンで歯と歯の間にむし歯がみつけられることもよくあります。
3.歯科医院での定期的な健診を
学校健診で治療が必要な項目にチェックが入っている子はすぐに歯科医院を受診するのは当然ですが、COなどすぐに受診の必要がないと記載されている場合も年に2~3回程度の歯科医院での定期健診をお勧めします。
特に乳歯との生え替わりの時期は重要で、後から生えてくるはずの永久歯がない場合があり、10人に1人いるとも言われています。また、何らかの異常で永久歯が正常に生えてこられないこともあります。診療室でないと見つけられないむし歯以外の異常も見つけることができます。
お口の病気はむし歯だけではありません。COと言われて安心しないで、学校健診では見つけられない歯やお口全体の異常を早期に発見できるだけでなく、お口の健康を維持していくためにも歯科医院での定期的な健診をお勧めします。